症例紹介

  • 口が臭い

②正しい歯周病の診断

《歯周病の診断》
歯周病は見えない顎の中で悪化してきますので、歯周病の正確な診断は、専門的な口腔内の詳細な検査、プロービング、歯科X線検査により行う必要があります。歯科X線検査などの専門的な検査なしに歯周病を正しく評価することは難しいです。
) 口臭チェック
口臭は歯周病のバロメーター!見た目では分かりづらい歯周病ですが、『口臭』は歯周病と密接に関係しています。
ペット(犬猫)の口臭が気になる場合は歯周病かもしれません。一度診察を受けましょう。

前に記載しましたように、歯周病が進行すると、歯周病菌が口臭物質を出します。正常な犬猫の口に口臭はありません。
口臭は歯周病のサインですから、口臭が見られたら、歯周病が進行してしまう前に早めに受診されることをお勧めします。

2)口腔内の専門的な診察
他の病気と同じく、見た目だけでは口腔内の病気はわからないことも多いです。しっかりと専門的な診察が必須です。
)プロービング
プローブという機材を用いて歯周ポケットの深さを測ります。
歯周ポケットは見た目では分からない為、知らぬ間に悪化し歯の周りに深いポケットが出来ている場合も多く見られます。

)歯科X線検査

上の2つの写真をみても、どちらが進行した歯周病かは見た目ではわかりづらいですが、X線写真を見てみると一目瞭然です。

左のX線写真では、歯の周囲には白い顎の骨が欠けることなく見えています。
右のX線写真では、歯の周囲の白い部分が黒くなってみえます。つまり、歯の周囲の顎の骨が無くなっているのです。
このように見た目では歯周病の程度はわかりにくいのです。歯の見た目が綺麗に見えていても、実は歯周病が進行しているケースが多くあります。特に、無麻酔スケーリングをしている犬では、見た目はキレイでも酷い歯周病の場合があります。無麻酔スケーリングは歯周病を悪化させますので、絶対に行わないでください(無麻酔スケーリングの項を参照)。