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③危険な無麻酔スケーリング

上の写真は無麻酔でのスケーリング(歯石取り)を行っていた犬の写真です。一見綺麗に見えるかもしれませんが、口臭や歯のぐらつき、さらには顔が腫れるなどの症状が見られます。無麻酔スケーリングをしたことのある犬は口を触られることを過剰に嫌がる傾向にあります。これは押さえつけられたり、怖い思い、痛い思いをしたことを覚えているからです。よく見てみると、歯の周りにできた歯周ポケットからは膿が出ています。これは食べカスではなく歯周病菌の塊です。実際に麻酔下でX線検査を行った写真がこちらです。

歯の周りの顎骨が腐り無くなっているのがわかります。重度歯周病に進行しています。

このように見える部分の歯石だけ取っても、歯周ポケットの中の歯垢歯石は取れない為、歯周病の治療にはなりません。また、歯や歯の周囲を傷つける可能性が高く、とても危険な行為です。さらには口を触ることが出来なくなり、ホームケアをすることも難しくなっていきます。
『麻酔は身体に良くない』と思っている方もいらっしゃいますが、実際には麻酔は身体に悪くはありませんし、身体に残りません。麻酔をかけてあげなければ動物は怖がり痛い思いをします。痛みや恐怖によるストレスをなくし、生体のモニタリング(心拍や血圧・呼吸など)管理を行い、歯科処置を安全に行うことが出来ます。
当院での麻酔は非常に軽い麻酔か鎮静程度です。口や身体が動かない程度の浅い麻酔や鎮静剤を使用し、痛みはモルヒネ系の鎮痛剤を使用していきます。100%安全な麻酔はありません。出来るだけ安全に行うために年齢や身体の状態に応じた全身状態の検査(血液検査やX線検査・超音波検査)を行い身体に負担をかけないよう麻酔を選択し管理していきます。
歯周病について詳しくご覧になりたい方は前の項目から『口が臭い』を選択し、『①歯周病とは』から順にご覧ください。