根尖周囲病巣
根尖周囲病巣とは折れた歯の歯根の周囲が化膿し顎骨が腐っていく病気です。治すことの出来る折れ方であっても折れた歯をそのままにしておくと次第に歯根の周囲が腐り、目の下が腫れたり膿が出てくることもあります。抗生物質の投与で一時的に腫れが引くことがありますが、歯を抜かずに治すことは出来ません。
上の写真は上顎の歯が折れ(露髄を伴う破折)、目の下が腫れて来院されました。根尖周囲病巣による外歯瘻(目の下に膿が溜まった状態)です。
X線写真を見てみると歯根の周囲の骨が腐っているのが分かります。抜歯をした後不良組織を除去し、縫合する処置を行いました。
目の下のかさぶたは皮膚病ではないかもしれません。犬で、眼の下の付近に、かさぶた、脱毛、腫脹、疼痛、皮膚の潰瘍などが繰り返しおこる場合は、臼歯の根尖周囲病巣が皮膚に及んでいる場合が多い様です。この病気は皮膚病と勘違いされやすいので注意が必要です。
歯が折れた場合、露髄しているかどうかなどにより治療方法が変わります。詳しくは別項目『歯が折れた』から『硬いものを咬むと歯が折れます』をご覧ください。