症例紹介

  • 乳歯が残っている

永久歯が生えてきたのに乳歯が残っている

乳歯遺残

“乳歯がまだ抜けない” “そのうち抜けるだろうから様子を見よう”
そう思っている方は少なくありません。

正常な生え変わりでは、乳歯が抜けてから永久歯が出てきます。しかし、およそ6か月齢の時点で犬歯の乳歯が抜けずに永久歯と乳歯が二重に生えているように見える場合は異常です。抜け変わりの時期以降に、乳歯が残っている状態を乳歯遺残といいます。乳歯が抜けないと、永久歯が異常な位置に萌出し、不正咬合や、歯周病になりやすい状態になってしまいます。

「重度歯周炎を伴う乳歯遺残」ヨーキー、4歳齢

乳歯が残ったまま放置してしまうと、4歳でもこのような重度歯周病になります。乳歯だけでなく永久歯も歯周病のため抜歯になります。

「乳歯遺残に関連する不正咬合」

 臼歯よりも犬歯で乳歯遺残による障害が多く、特に小型犬には乳歯遺残による不正咬合が目立ちます。また、犬では短頭種のアンダーショットによるトラブルも多く、猫では短頭種(ペルシャ等)に不正咬合が多くみられます。
上顎の永久犬歯は乳歯の前側の位置に萌出され、下顎の永久犬歯は内側に萌出されます。
生後7ヶ月以降に乳歯を抜いても永久歯の不正な歯列は治りません。
乳歯遺残による不正咬合を防ぐコツは、生後6ヶ月に歯科専門医に相談することです。