どうぶつの歯医者さん

歯周病の鑑別ポイント(犬編)

  • どうぶつの歯医者さん
  • 2018.04.01

家族の方が病気と思う時期には歯周病はかなり進行している場合が多くみられます。
歯周病は、歯の根の周りの組織(歯周組織)が歯周病菌の影響で壊される病気です。
歯の見える部分(歯冠)の汚れだけでなく、見えない歯周ポケットを除去しないと、歯周病は進行してしまいます。

【歯周病とは】

歯の見える部分の汚れだけのことではありません。
歯と歯肉の間の歯周ポケットの中で起こっている病気です。
歯周ポケットの中の見えない部分つまり、歯を支えている歯肉、歯根膜、顎の骨が家の人が知らない間に腐って壊れていく病気です。
はじめは、歯の周りの歯肉が赤く盛り上がり、歯肉炎と呼ばれます。
徐々に進行すると、歯周炎と呼ばれ、早めに対処すれば、スケーリングなどの歯や歯の周りのクリーニングで症状がおさえられます。
一般に悪化した歯周炎(重度歯周炎)は“歯槽膿漏”と呼ばれています。
見た目に汚いというだけでなく、歯周ポケットからのバイ菌やその毒素から体全体に悪い影響が及びます。

【程度による歯周病の状態】

軽度歯周炎(図軽度歯周炎 前後)
中程度歯周炎(図中程度歯周炎 前後)
重度歯周炎(図重度歯周炎 前後)
抜歯しないと、眼下などの腫大、顎の骨髄炎、病的な顎の骨折、全身にばい菌の影響が及びます(図重度歯周炎)

【発生率】

年齢とともに発症数は増加します。
3歳以上の犬猫の75%以上が歯周病です。
小型犬種は、中、大型犬種より歯周病になりやすいです。

【症状】

・歯が汚い
・口が臭い
・口や歯を触ると痛がる
・食べ方がおかしい